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バス旅行で必要なものってなに?

テレビ東京がキラーコンテンツとしてきたバス旅番組のヒストリー

テレビ東京(旧東京12チャンネル)は、経済番組と共に旅番組のクオリティーの高い事で知られてきました。リアリティーショーの要素を盛り込んだ2007年秋スタートのバス旅番組は、回を重ねる毎に評価を高めていき、社会現象と呼ばれるほどの人気を獲得します。

そんなテレビ東京のバス旅番組人気にあやかり、他のテレビ局のバス旅番組にも注目が集まっています。

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テレビ東京と旅番組の関係

バス旅番組でおなじみのテレビ東京は、第1回東京オリンピックが開催された1964年に「東京12チャンネル」として開局したというヒストリーをもちます。開局当初は情報番組「とくダネ!」でおなじみのキャスター・小倉智昭氏がアナウンサーとして活躍していた事で知られます。

その後、1981年には「テレビ東京」へと社名を変更したほか、系列局が誕生してTXNネットワークが形成されていきます。しかし、ネット局の数はわずかであったほか新聞のテレビ欄でも端に位置する存在であったため、人気的には在京最下位が定位置となっていました。

ただ、日本経済がバブル期に入った1980代後半より少しずつ風向きが変わっていきます。番組制作予算が増加した中、巨額の予算を投じて1986年に「いい旅・夢気分」という豪華キャスト出演の旅番組が大ヒットしました。

この番組が国民的なヒット番組に成長していった事により、テレビ東京には経済番組のイメージだけでなく旅番組のイメージがついたようなところがあります。その後、2000年にBSデジタル放送が開局してBSJAPAN(のちのBSテレ東)が開局すると、高画質の旅番組もBS放送フリークの間で人気を博するようになりました。

その他、2003年に地上波デジタル放送がスタートし、地上波において「いい旅・夢気分」をはじめとした、綺麗な景色が楽しめる旅番組が脚光を浴びます。そんな中、2007年秋に蛭子能収さん(漫画家)・太川陽介さん(俳優)をメインキャストとした「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は産声を上げました。

バス旅番組が驚異的な視聴率を叩き出し始める

2003年に地上波デジタル放送がスタートしたからテレビ東京のチャンネル番号は12から7に変更されました。そして、新聞やテレビ雑誌においても端を脱出し、TBS(6ch)とフジテレビ(8ch)の間という最高のポジションを手にします。

そういった背景がある中で、視聴率激戦区の土曜日のゴールデンタイム2時間枠内ではじめて放送された「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はいきなり脚光を浴びます。2007年10月放送の第1回は13%近い視聴率を獲得し、テレビ業界関係者の間で大きな話題となりました。

ビギナーズラックに過ぎないのではないかという意見も一部であったと言われますが、約半年後の2008年春に放送された第2回は何と視聴率が15%を超えます。これにより、蛭子さん・太川さんによるバス旅の人気はビギナーズラックなどではなく本物である事が証明されました。

その後、2010年頃までは半年に1回くらいのペースで土曜日のゴールデンタイム枠で新作を放送する状況が続きます。すべてではないものの、それらの放送の大半が10%以上の視聴率を獲得した事で、少しずつ1年あたりの放送回数が増えていきました。

バス旅人気が社会現象となる

2012年9月には2時間枠を超えて2時間半(18:30-21:00)という時間をとって放送されましたが、あまりの長さに視聴者が飽きてしまうという事は一切ありませんでした。逆に過去の放送の中でも特に高い視聴率を獲得し、続く2013年お正月の第13回に関しては3時間半という枠が設けられる事となります。

映画の世界では3時間半という作品は長すぎてあまり好まれないものの、圧倒的な面白さの蛭子さん・太川さんによるバス旅番組は13%という高視聴率を獲得しました。この時期あたりから、この番組の人気・知名度は口コミで国民に幅広く浸透し、様々なメディアにて人気ぶりが伝えられるようになります。

芸能ゴシップ誌の中には、番組に関してある事ない事を書きたて、その人気に便乗しようとしていた媒体もあるほどです。なお人気は過熱する一方でなかなかハイペースでは新作が放送されない中、2014年からは過去の回がDVD作品としてリリースされはじめ、ヒットを記録します。

DVD各作品が大ヒットする中で映画化の話が持ち上がり、2016年2月には三船美佳さんをマドンナに迎えた映画作品が公開されました。こちらの映画版は事前PRが十分ではなかったため興行成績は振るわなかったものの、テレビ版は変わる事なくヒットを飛ばし続けます。

しかし、日本中をバスで旅し尽くしてしまったなど様々な理由により、蛭子さん・太川さんをメインキャストとするバス旅番組は2017年の正月にピリオドを打ちました。

2017年春からキャストを変えてバス旅番組は復活

蛭子さん・太川さんによるバス旅番組は終了したものの、バス旅番組に大きな可能性を感じていたテレビ東京はキャストを変えて番組を再始動させます。新キャストは個性派俳優の田中要次とタレントとしても活動する芥川賞作家の羽田圭介の2人で、毎回1人のマドンナ(女性ゲスト)を迎える点は変わりありません。

新キャスト版のバス旅番組は視聴率10%の壁をなかなか上回る事はできない状態が続くものの、安定した人気を獲得していきました。蛭子さん・太川さん時代と比べて放送ペースが速くなり、3か月に一度のペースで新作が放送されるため、コアなファン達は大喜びしていると言われます。

そして、田中さん・羽田さんバージョンもヒットした事で、テレビ東京はますます「バス旅」のイメージが強いテレビ局となりました。

何故、テレビ東京のバス旅番組は面白いのか

2000年代に入ってから、「あいのり」「テラスハウス」に代表されるリアリティーショーというジャンルのテレビ番組が日本で極めて高い評価を受け続けています。テレビ東京のバス旅番組は、従来から存在していたオーソドックスな旅番組にリアリティーショー要素を盛り込んでいるのが面白さの秘訣と言われます。

リアリティーショーというものは台本・筋書きがない事が特徴ですが、テレビ東京のバス旅番組は出発地・目的地こそ決まっているものの、その間のルートは決まっていません。目的地が決まっている旅番組というものは通常、必ず旅人が目的地に辿り着くものですが、テレビ東京のバス旅番組はそこが大きく違います。

視聴者が目的地の景色や観光情報が知りたいとしても、キャスト達が決められた時間内にバスをうまく乗り継いで到着してくれなければなりません。時間内に目的地に辿り着けなかった場合、キャストだけでなく視聴者も全員目的地の景色を見たりすることができないまま番組が終わってしまいます。

そのため、視聴者は真剣にのめり込んで筋書きのないバス旅の行方を見守る事になり、その緊張感が面白さの秘訣と分析されています。

他局でもバス旅番組が増えている

テレビ東京によるバス旅番組の人気を受け、他局においても様々なテイストのバス旅番組がスタートしています。それらの番組も人気が高く、これからも飛行機や電車を利用しない、ほのぼのとしたバス旅系の旅番組の人気が上昇していく事は間違いなさそうです。

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